日本の伝統文化を語り継ぐ・・・ 伝えたいのは日本人の心 Katari of Japanese mind & Kimono
礼儀作法はなぜ必要か?

礼の原点

 

日本は農耕を主たる生業とし、四季の自然にも恵まれ、
季節の移り変わりを非常に大切にしうてきました。
一生のうちいくつもの晴れの日を置き、日々の生活に変化と潤いを与えてきました。
自然に感謝し、自然とともに生きる生活の安泰を願い、様々な行事を執り行ってきました。
誕生、七五三、成人、長寿など、それぞれの成長過程を祝いつつ、祖先に深く感謝し、
代々の繁栄を祈ってきたのです。
そのような行事の折々に、人は多くの人とのかかわりを持ち、
そのかかわりの中で生きてきました。
その社会関係を円滑に進めるために、礼儀作法が大切になったのです。

礼儀の歴史

 

電気や天気予報などがなかった時代、人々は日常生活で季節の移り変わりの目安を自然の中から読み取っていました。また、自然現象や山河草木など、あらゆるものに神を見い出し、自然万物を神と敬うことで、農作物の豊穣を祈り、共同体の結束をはかってきました。そんな時間や自然、信仰に対する豊かな感性が息づく、日本の伝統的なしきたりや年中行事は、日本人が長い歴史の中で培ってきた、まさに生活の知恵であり、豊かな人生観の表れでもあります。その中で少しずつ形を整え、美しく感性されてきた礼儀作法は、まさに日本人の心の形そのものと言えるでしょう。
初参り(お宮参り)

初参り

出産から女性は30日目、男性は31日目に(地域により異なる)産土(うぶすな)の神に村の一員となったことを報告するための儀式が始まりです。

 

◆初参り(お宮参り)のきもの

男児は黒羽二重の熨斗目模様の五つ紋付、女児は綸子や縮緬地の絵羽模様のものがよいとされています。幅の広い紐にお守りや狛犬をつけて、おばあさまの肩にかけ、後ろでむすびます。
七五三

七五三

産土の神へ、幼児から少年少女へ成長したことを報告するための儀式です。その時に幾年も長生きできるよう千歳あめをいただきます。

 

◆七五三のきもの

七歳の女子は華やかな京友禅などの振袖のような着物をきます。帯は金襴の祝い帯が一般的です。五歳の男子は色綸子や熨斗目も酔うの紋付の着物に羽織、袴。三歳の女子は京友禅や絞りなどの子供用の着物が可愛らしく、被布を羽織ります。
十三参り

 

京都では嵐山の法輪寺で虚空蔵菩薩(大きな空の神様)から大人の知恵を授かるためにお参りします。十二支を一廻りしたことの証として、13のお菓子をお供えしおさがりを持ち帰り共にいただいたそうです。

 

◆十三参りのきもの

女子が初めて本裁ちの振袖を肩上げをして着ます。帯は大人ものの袋帯。母親は訪問着、色紋付、江戸小紋など。子供の晴れ着と調和させて選びましょう。
成人式

成人式

日本の宮廷や貴族のあいだでは、古くから男子が大人の仲間入りをする「元服」が行われていました。13歳から15歳くらいになると、少年の髪型を成人の髪型に変え、冠をかぶり、成人の服装をしました。女子は、垂らしていた前髪を結い上げて髪上げをし、裳(う)を着たり、時代によってはお歯黒をしたりして大人の仲間入りをしました。

 

◆成人式のきもの

成人式の晴れの装いは、女性は振袖に袋帯です。様々な色柄の振袖があり、帯とのコーディネートも華やかなものからシックなものまで個性に合わせて装います。基本的には吉祥柄と呼ばれる縁起のよい柄のきものと帯を合わせます。男子の紋付羽織袴は、落ち着いた大人のイメージで悠然と着こなしたいものです。
結婚式

結婚式

現代では、男女が当人同士の意思で同居生活をはじめることが結婚ですが、かつては当人同士よりはむしろ、家と家の結びつきに重きが置かれていました。そのため、当人同士はもちろん、両家が子々孫々まで絶えることのないようにという願いが結婚には込められていました。現在のような神前結婚式が行われるようになったのは明治時代になってからのことです。

 

◆結婚式のきもの

新郎新婦の母親、仲人夫人は五つ紋の黒留袖を着ます。ミセスは色留袖や訪問着、ミスは振袖や訪問着、付下げを着て華やかに装うのが一般的です。
葬儀

葬儀

葬儀とは、死者を弔うための儀式で、故人との別れの儀式である告別式とは別のものでした。最近では、同義に使われることが多くなっています。葬儀では、僧侶が中心となり、お経を読み、焼香して故人が成仏しあの世に行けるように
祈ります。この儀式には原則として喪主をはじめ、遺族や親族など近親者と、生前、故人が特に親しかった人だけが参列し、一般の参葬者は告別式に参列します。

 

◆葬儀のきもの

喪服は黒の五つ紋を着用します。帯揚げ、帯締め、草履は黒を用います。男性は黒の五つ紋の羽織、袴を着ます。